政権交代しても再稼働できないよう「爆破」

ただ、ドイツは原発を止めて以来、一転、巨大な電気輸入国に変貌。特に昨年の12月は、ブラックアウトを避けるためとはいえ、金に糸目をつけず、ヨーロッパ中の電気を強力な掃除機のように吸い込んだ結果、高止まりしていたヨーロッパの電気価格をさらに押し上げた。

ただ、他の国にしてみれば迷惑千万。実はEUには、電気が逼迫しても自国で囲い込まずに融通しあうという決まりがあるものの、ドイツは別だ。快調に動いていた原発をわざわざ止め、最新のハイテク石炭火力まで強引に減らしていっているドイツで電力が足りないのは自業自得だと、誰もが考える。しかも、将来、政権が入れ替わっても再稼働できないよう、停止した発電所の一部を爆破までする念の入れようなのだ。