100万人の命を救うか、10人の命を救うか
たとえば、そのワクチンを使わなければ100万人が亡くなってしまう。しかし、そのワクチンを使えば、100万人はほぼ助かるが、そのうち10人は副反応によって亡くなってしまうだろう。そういうデータが出てきたら、そのワクチンは認可されるでしょう。つまりこれも、100%ではないという前提で判断しているのです。
その10人の命はないがしろにしていいのか。そういう意見が出ることは、もちろん心情的には理解できます。ただ、その10人の方々も、ワクチンがなければその感染症で亡くなっていたかもしれない。そう考えると、そもそも100%安全なことはないのであって、ワクチンに副反応が発生するのは仕方ないと言うしかないのです。
気持ちとしては納得がいかない、受け入れられないと感じるのは当然です。ただ、それが公衆衛生の考え方です。だから副反応によって亡くなってしまった方のためには、国が補償する制度があります。