よりよい生活空間を求めて大移動

イワレ彦の物語について、まず私が重要と思う項目は次の点である。

(1)後世の、逃散ちょうさんとよばれるような、経済的な困難に耐えかねた村人たちの移住ではなく、相当の政治的なまとまりや軍事力をもった集団が、よりよい生活空間を求めて大移動した。

(2)大移動した集団(イワレ彦勢力)が、本来の故郷の南九州と、新しい移住先との両方を支配しようとしたとは、『記・紀』の物語ではうかがえない。