2024年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお届けします。大河ドラマ部門の第1位は――。
▼第1位 藤原道長憎しのあまり、暴走し自滅した…ギリギリまで道長を追い詰めた定子の兄・伊周が迎えたあっけない最期
▼第2位 NHK大河はこの史実をどう描くのか…まだ幼い「定子の息子」に対して藤原道長が行ったひどすぎる仕打ち
▼第3位 NHK大河ドラマを信じてはいけない…紫式部の娘・賢子が異例の大出世を遂げた本当の理由
▼第4位 NHK大河でどこまで描写できるか…失禁と下痢が止まらず、娘・彰子も近づけなかった藤原道長の凄絶な最期
▼第5位 藤原道長にいいように利用され、最後は天皇の座を奪われた…2人の中宮を持った一条天皇が迎えた悲しい最期
定子の兄・伊周が道長を恨んだワケ
藤原道長(柄本佑)の姉で、一条天皇の母である東三条院詮子(吉田羊)も、まひろ(吉高由里子、紫式部のこと)の夫の藤原宣孝(佐々木蔵之介)も逝ってしまった。NHK大河ドラマ「光る君へ」の第29回「母として」(7月28日放送)。
この回の放送で、良くも悪くもいちばん存在感を示したのは、前の週に亡くなった皇后定子(高畑充希)の兄で、道長の甥である藤原伊周(三浦翔平)だったのではないだろうか。
兄弟で花山法皇に矢を射かけて自滅した長徳2年(996)の長徳の変以降、傾いた家の再興に必死な伊周は、「藤原の筆頭に立つ」との意気込みで、声を荒らげながら長男の松(小野桜介)を指導していた。それを見た弟の隆家(竜星涼)は、「兄上の気持はわかるが、左大臣(註・道長)の権勢はもはや揺るがぬぞ」と諭したが、伊周は「揺るがせてみせる」と言い張った。
さらには、自分が失脚し、定子が失意のまま命を落としたのも「左大臣のせいだ」と、強く思い込んで恨みを募らせ、夜な夜な道長を呪詛しはじめた。伊周の恨みは、道長に肩入れする詮子にも向けられ、詮子の病が悪化し、ついに命を落としたのは、伊周の呪詛が効いた結果であるかのようにも受けとれる描き方だった。
史実においても、呪詛の効き目が信じられていた節があるが、ともかく、詮子は息も絶え絶えに、道長に「伊周の怨念を収めるために、位をもとに戻して」と頼み、それを受けて伊周は、ふたたび内裏への昇殿を許されたのだった。
ところで、伊周の恨み辛みはこの先、ほんとうに収まるのだろうか。