あえて「松本人志」の名を隠して裏方に徹する

そうした懸念を避けるアイデアとして、ひとつ有用と思われるのが、「裏方」としてのYouTube活動だ。松本さんは漫才やコントといった芸人像にとどまらず、『遺書』『松本』などのベストセラーや、「チキンライス」の作詞など、文筆家の一面もある。短文を反射的に投稿できるSNSには向いていないが、チームとして企画づくりに携わる形であれば、その才能を生かせるのではないか。

本名ではなくペンネームを用いて、顔を出さずバレないように、スタッフとして活動する。大御所ではなく一兵卒として、実績を積んだ上で、しかるべきタイミングで「ネタばらし」をする。おそらく、その際にも批判は噴出するだろうが、「松本人志ではなく、その才能が評価されている」となれば、復帰後の受け入れられ方も変わってくるだろう。

クリッパーやフィルムのリール、ノートが机の上に置かれている
写真=iStock.com/fabioderby
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とはいえベストは、記者会見のような公の場で、一方通行ではなく報道陣との双方向により、本人の口から「どこまでが事実で、どこまでが虚偽と考えているか」を早期に語ることだ。主張する「虚偽」の内容によっては、文春側がさらなる動きを示すことも考えられるが、それはそれで潔白を示すチャンスとなる。疑惑がくすぶっている現状、「沈黙は金」とは言えない。そこを解消することが、復帰への最短ルートだろう。

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