ひとつプログラミング言語を身につければ応用が利く
日本人の平均年齢は80歳を超えていて、多くの人は50年くらい働き続けることになる。50年も働いていると、何十年も前に大学で学んだことは陳腐化してしまうことも多い。
プログラミングにもはやり廃りがあり、新しいプログラミング言語を覚えなければならないこともある。
そもそもコンピュータの発祥はアメリカなので、プログラミング言語のほとんどは英語がベースになっている。この時点で英語が母語ではない人は不利だが、英語とはいってもシンプルな単語と文法しかプログラミングでは使わないので、そんなに難しくはない。
そして、python、VBAやCといったプログラミング言語の基本構造は同じで、どのプログラミング言語でも、変数を使い、順次実行・条件分岐・繰り返し処理の3つを組み合わせているという基本的な枠組みは変わらない。いわば方言程度の違いしかないわけだ。
IT関連の技術は日進月歩だと言われているが、プログラミング関連に関しては、方言程度の違いしかないから、なにかひとつプログラミング言語を身につけていれば、やったことがないプログラミング言語や、新しく出てきたプログラミング等にもある程度対応できる。
組織のメンバーの何人かで一斉に始めれば仕事の効率は上がる
それでも、プログラミングは最初のハードルが高いため使える人が少ないが、組織のメンバーの何人かが、一斉にExcel VBAのようなとっつきやすいものから始めて、仕事に少しずつプログラミングを使うようになれば、組織の仕事の効率も、プログラミングスキルも一気に高まっていく。
何歳であってもそうしてプログラミングを始めた人のうち何人かは、pythonなどのより高度なプログラミング技術に興味を持つようになり、学び始め、それが組織の地力を上げていく。
そうした草の根的な取り組みをどう始めるのかが、スキルが無ければ解雇できるジョブ型雇用ではなく、社員を育成していかなければならないメンバーシップ型雇用の日本企業の大きな課題だ。
しかし、今では、生成系AIに指示すればプログラムを書いてくれ、しかも1行ずつ解説してくれるからプログラムを学ぶハードルはかなり低くなっている。
YouTubeにも、大量のプログラミングに関する動画が無料で掲載されているから、学ぶための環境は整っている。
人生100年時代を生き抜くには、今必要なことを自ら学ぶ力があればなんの心配もいらない。
そして、自ら学ぶための環境は、おそらくこれからもどんどん良くなっていく。この素晴らしい環境を活かさない手はないだろう。