「定着」のプロセスを踏んで齟齬をなくす

その後は、ゴールに向けてプロセスを進めていくのですが、ステップごとにマイルストーン(道しるべ)を設定し、なにをもって「うまくいっている」とするか、その判断基準についてもあらかじめ合意しておきましょう。

「この段階のマイルストーンはクリアしたから大丈夫。よし、次へ行こう」という具合に、判断基準を随時チェックし、つねにマイルストーンによって状況判断をしながら進んでいきます。

これが「定着」という意味であり、言い換えれば、小さなゴールの達成を積み重ねていくことです。状況判断のための道しるべをもとに、最終的なゴールへと向かっていきます。

ビジネスを適切に前進させるには、まずは当事者同士で目指すゴールを「合意」する。そして、小さなマイルストーンをつくり、正しく状況判断をしながらスピーディーにそのプロセスの「定着」を図っていく。

「ビジネス会話」の存在意義は、この手順を促すことにあると言ってもいいでしょう。

旗のマークのブロックを持ち上げる手
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「言ったことが伝わらない」ときは“まず謝る”

「合意」と「定着」をうまく実現できず、「言ったことが伝わらない」問題が発生してしまったときは、どうすればよいのでしょうか。

前提として僕は、どんなものごとにおいても、相手の時間を無駄にすることが、相手にかける迷惑のトップだと位置付けています。

例えば、仕事で使うツールに不具合が起きると、うまく動作しないことで相手の時間が無駄になるとみなすことができます。あるいは、相手がお金を損したならば、相手の時間あたりの収入が減ることで時間が無駄になっていると言えるでしょうし、そのお金を取り戻すために、相手は余計な時間を使わなければなりません。

僕は、もし自分が相手の時間を奪う状態になったり、相手が期待する体験に十分応えられなかったりする状態になったなら、最初にまず「謝る」という行動をしようと心がけています。

先にきちんと相手に謝ったうえで、その理由と今後の対策についてしっかり伝えていくようにしようと決めているのです。