創薬が実現する可能性は0.004%

【武中】エコノミー(経済)の観点で考えると、こうした治療は非常に高額。人間には必ず死が訪れます。自分が80歳になっていてもそうした治療を選択するのか。お金をかけた効果、費用対効果があるのか、考えてしまいますね。

鳥取大学医学部附属病院の武中篤病院長(左)とアステラス製薬の岡村直樹社長(右)
撮影=七咲友梨
鳥取大学医学部附属病院の武中篤病院長(左)とアステラス製薬の岡村直樹社長(右)

【岡村】その通りです。我々が利用する医療資源(医療に関わる人、医療施設や医薬品、財源など)には限りがあります。武中先生が指摘した人的資源のほか、現在の医療保険制度の財政は大変厳しい状況にあります。

その上に高額な細胞医療、遺伝子治療の費用を乗せるというのは難しいです。一人ひとりが限りある医療資源を大切に利用し、将来にわたって治療を必要とする人が必要な医療サービス(医療・治療薬)を受けられる社会を実現したいと考えます。それが、我々の考える「医療のエコ活動」の普及を通じて目指す社会です。