捕獲したクジラの鼻骨を取って埋葬して供養
作品の中の「浜のお寺」とは、金子家が代々檀家を務めていた浄土宗向岸寺と思われる。向岸寺は、仙崎の中心部から橋で渡った青海島の通という集落にある。穏やかな仙崎湾が望める通集落に入った。
江戸時代、この湾に入ってきたクジラを捕らえるために「鯨組」という捕鯨組織が立ち上がる。明治末期までこの地は、網取法による捕鯨漁で栄えたという。鯨漁は漁師にとって危険極まりない仕事だったが、「一匹の鯨に七浦賑わう」(1頭の鯨を捕獲すれば、7つの漁村が潤う)と言われた。
同時に、漁師らは大型哺乳類であるクジラの解体に心を痛めた。1679(延宝7)年、向岸寺の第5世の讃誉上人は、捕獲されたクジラのための法要「鯨法会」を始める。明治に入って近代捕鯨が始まると、仙崎の古式捕鯨は衰退し、姿を消してゆく。だが、向岸寺では今でも1年に一度、鯨法会が続けられている。
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