とくに自社のロイヤルカスタマーである顧客からは、比較的容易に競合情報を入手できる。近年は個人情報保護法の影響で以前よりあけすけではなくなったが、「他からアプローチありましたか?」と素直に質問すれば、たいていのことは教えてくれるだろう。
自社のファンではない顧客の場合は、情報を積極的に開示する顧客と、まったく出さない顧客の両極端に分かれる。情報を出す顧客は、競合同士を競わせることが目的。たとえば「A社さんは、このオプションが無料なんだよね」と明かして、提案の見直しを迫ってくる。難しいのは秘密主義の顧客だが、結果が出た後に「A社さんのほうがオプションは魅力」と失注理由を教えてくれることもある。これは次回に役立つので聞き逃さないようにしたい。
大切なのは、それらの情報を集めて全体像を分析することだ。営業担当者個人にそれを任せるのはどうしても限界がある。マネジャーやマーケティング担当に情報を集約させて、競合との差別化ポイントを分析する仕組みをつくったほうがいいだろう。
(※本記事は『諦めない営業』(横田雅俊著、プレジデント社)からの抜粋です。)
(構成=村上 敬)