「スピード感がある=できる人」だと思われているが…
近ごろよく耳にする言葉に「スピード感」というのがあります。組織はもちろん、業務の流れや実行にまず要求されるのが「スピード感」です。素早い判断と対応がなければ、世の中の変化や要求に応えることができないからでしょう。
そのせいかどうか、早いのはいいこと、遅いのは悪いことというイメージが世の中には定着しつつあります。それを一人ひとりの人間に当てはめたら、どうなるでしょうか。
「できる人にはスピード感がある」
「できない人にはスピード感がない」
すると今度は、万事に早めの準備や実行、あるいは計画や達成が大事なような気がしてきます。たとえば、自分の夢や願望を実現させるときでも、「そのうちに」とか「いつか」ではなく、「1年後」とか「明日から準備にかかろう」と決心するようなことです。
「そのうちやいつかでは、結局、何もしないまま時間だけが過ぎてゆく。本気で実現をめざすなら早め早めのスケジュールにしないといけない」そう考えるのがスピード感のある人です。できる人は、そうでなければいけないのでしょうか。どこかピリピリしていませんか?
世間のペースに巻き込まれる必要はない
一方、「そのうちなんとかなるだろう」などとのんきに、気長に構える人には、はっきり言ってあまりできる人というイメージはありません。のんびりゆったりしています。
あなたがどちらのタイプかわかりませんが、大事なのはどちらが幸せに生きられるかということです。もし、もともとのんびりした性格の人なら、スピード感に惑わされてピリピリしてもそれほど意味がないし、逆に疲れたり自信をなくしたりするだけかもしれません。
あるいは、もともとスピード感の備わった人でも、「ちょっと疲れたな」とか「イライラが溜まってきたな」と感じるようなら、本当はのんびりタイプなのかもしれません。世の中のスピード感に惑わされて、「急がないと」と言い聞かせているだけかもしれません。
「なんだか最近、追い立てられるように暮らしているな。以前はもっとゆったり暮らしていたのに……」
そう感じているあなたには、私からこうアドバイスさせてもらいます。世間のペースに巻き込まれることはありません。もうちょっと気長に生きてみませんか。