トップセールスは、売れない営業担当者の4.1倍の期間、アプローチを続けて顧客を攻略している。この事実を目の当たりにして、「いまより4倍頑張るなんて、自分には無理」と早々に白旗をあげている人はいないだろうか。
自分は努力や根性が足りないからトップセールスになれないと考えているなら、それは誤解だ。トップセールスが“あきらめない営業”を実践しているのは、生まれつき粘り強い性格だからでも、向上心が人1倍強い努力家だからでもない。継続アプローチに必要なのは、精神論ではなく方法論。つまりアプローチし続ける仕組みや、顧客と関係性を築くためのスキルがあるからこそ、途中で投げ出すことなく攻略し続けられるのである。
そもそも継続アプローチは負担が大きくて大変という認識も間違っている。アプローチ期間は4.1倍に伸びても、その間、やみくもに足を運んでいるわけではない。むしろ行くべきタイミングで効率よく訪問し、顧客を攻略している。どちらかというと省エネな営業スタイルだ。
もちろん努力や根性を発揮できるなら、それに越したことはないだろう。しかし、個人の頑張りに依存した営業では、いずれどこかで息切れが起きて、アプローチの断念につながってしまう。
精神論に頼らず、粘り強く顧客を攻略するには、どうすればいいのか。5つの角度から、“あきらめない営業”の方法論を紹介したい。
行きやすさではなく拡販余地で選定
売れない営業担当者は、自分が行きやすいところばかり訪問して、本来獲得すべき顧客、つまりロイヤルカスタマーになりうる顧客のところを訪問しない傾向がある。それが許されているのは、営業部門として、「こういう会社をターゲットにしよう」という認識が共有されていないからだろう。
では、攻略すべき顧客をどうやって決めていけばいいのか。