たとえば、こんな日常の1コマに隠れている

以上より、インサイトを見つけるときに大切なことは「普段の暮らしの中で感じる、自分自身の感情」に目を向けることと言えるのです。

日常生活の中での自分の感情に目を向けるというのは、例えば、次のようなイメージです。

○家族や友人との会話で、何気なく出た一言が面白いと感じたとき
 その瞬間、なぜその言葉に引き込まれたのか、理由を探ってみる

○新しいレストランでの料理に、想像以上に感情を揺さぶられたとき
 その食体験がなぜ特別だったのかを自分なりに分析してみる


○SNSでもてはやされているトピックに、不快を感じたとき
 その不快の感情が何に根ざしているのか、深く掘り下げてみる

「さあ、見つけよう!」で見つかるものではない

佐藤真木・阿佐見綾香『センスのよい考えには、「型」がある』(サンマーク出版)
佐藤真木・阿佐見綾香『センスのよい考えには、「型」がある』(サンマーク出版)

さらに、こういった数々の自分の「個人的な感情」が動いた瞬間を集めて、忘れないようにメモに残したり、記憶にとどめたりして、ストックしておくことも大切でしょう。

実は、仕事として「さあ、インサイトを見つけよう!」と意識する前の、日常生活を送っている段階で、すでにインサイトを見つける準備が始まっています。

プロの人たちの話をまとめると、インサイトは見つけたり探したり、というよりも、日々の生活の中での「気づきや違和感」を集めておいて、「なぜ自分がそう思ったのか?」を考える習慣をつけ、それを思い出すということのほうが、実際の作業の感覚に近いかもしれません。

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