わかりやすく説明するために、さきほどのBくんにふたたび登場していただきましょう。せっかく念願のマンションを購入したBくんですが、なんと転勤を命じられてしまいました(マイホームを購入したとたんの転勤、これぞサラリーマンジンクス!)。

やむを得ず買ったばかりのマンションは賃貸に出すことに。思いもよらない賃貸経営、どうなるものかと思っていたものの、新築のマンションということもあってか、すんなり入居者さんが決まり、月々の返済は家賃収入で賄うことができる見込みがつきました。さらには家賃収入から返済額や管理費・修繕費を引いて差額が出たため、気付けば手元現金(=キャッシュフロー)まで手にすることに。このように物件は人に貸すことによって収益を生む不動産にすることもできるのです。

以上、不動産にはフローのみの不動産、ストックとしての不動産、収益を生む不動産の3種類があることがわかります。そしてそのなかでも収益を生む不動産を持つことがいわゆる不動産投資なのです。もちろん購入時から戦略的に物件選びや融資選びをすれば、Bくんのケースより、もっと大きなキャッシュフローを狙うこともできるでしょう。あるいは購入した不動産をステップに収益を生む不動産を買い進めることによって、サラリーマンとしての月収以上の不動産収入を得ることも不可能ではありません。いずれにせよ、やはり「どう考えても不動産は買わないと損!」なのです。

ミドルリスク・ミドルリターン

では次に資産運用、投資という面から他の方法と比較して、不動産を考えてみましょう。

資産運用のひとつとして身近な方法に銀行の普通預金がありますが、こちらはリスクがほとんどありません。金融機関が破綻した場合でも、預金の払い戻しを受けられるペイオフという国の特例措置がありますので、一金融機関ごとに預金者ひとり当たり元本1000万円までとその利息が保護されます。しかし、リスクがほとんどないかわりにリターンも少ないというのが、資産運用や投資としてはイマイチな点。特に日本の銀行預金は世界の先進国に比べると悲しいまでに利息が少なく、預金していても利子収入は望めないというのが現実です。