「メディアが報じない隠された真実」は99%デタラメ

【布施川】陰謀論にハマっちゃうと「新聞は○○を隠蔽している!」とか言い出しそう。

【高井】新聞って、そんな大したモンじゃないですよ。サラリーマン記者がヒイヒイ言いながら作ってる、ただのテキストメディアです。慢性的にネタに困っているから、隠蔽とかしてる余裕もない。

「メディアが報じない隠された真実」なんて、九分九厘、デタラメだと思った方がいいし、「メディアの情報の方が真実」なんてことも99%ない。取捨選択するのは自分です。「メディアは全部ウソ」とか言い出しちゃうと洗脳から覚めるのが大変だから、適切な距離感で雑多な情報を摂取しておいた方がいい。

なーんて、かくいう僕も実は、中学2年生頃まで陰謀論にハマっていました(笑)

【一同】 ええ⁉

他の人と差がつけられるチャンス

【高井】ノストラダムスの大予言とか、月刊誌『ムー』とか、真に受けてね。でも、ある時、開高健の本を読むようになって、「俺はなんて無知なんだ!」と目が覚めた。

陰謀論って、「俺だけが真実を知っている」という全能感があって、気持ちいいんですよ。ひとつの神話を信じればいいから、情報摂取をサボれるし。僕は読書がきっかけで足抜けできたけど、新聞にも同じような効果があると思う。活字を読むことに慣れるのも大きい。

高井宏章『新聞のススメ 1日15分でつくる教養の土台』(星海社新書)
高井宏章『新聞のススメ 1日15分でつくる教養の土台』(星海社新書)

【布施川】いま僕は予備校で国語を教えています。生徒を見ていると、かなり文章が読めなくなっていると感じます。1時間与えても1000文字、2000文字の文章が読めない。

【高井】逆に言えば、そこはチャンスとも言える。少し長い文章が読めれば他の人と差がつけられる。まず1日15分、新聞を読めばいい。

【新倉】みんなが読まない時代だから、読むだけで差がつくんですね。

【高井】最初はつらいかもしれないけど、すぐ慣れるから。やはり習慣にすることが一番大事ですね。

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