「モテ度高」階級は「女児のみ」が多数だが…
年代を現在の20代未婚男女(父親の年代は40~50代想定)に絞って、「子が思う父親のモテ度」を5段階に分け、「一人っ子含む男児だけの兄弟」「一人っ子含む女児だけの姉妹」「男児と女児が混合の兄弟姉妹構成」の3つの割合がどれくらいかをまとめたものが以下のグラフです。
まず、全体的には、男児のみ3割、女児のみ3割、混合4割となっており、前述した出生動向基本調査の結果と整合しています。
その上で、「モテ度高」階級における構成を見ると、確かに、「男児だけ」は27%なのに対し、「女児だけ」35%と上回っており、加えて、モテ度が中間にさしかかるほど「女児だけ」の割合が25%程度に減り、「男児だけ」に逆転されています。
ここだけを見ると「モテる男の女児率高い説」もあるのかなと思いそうになりますが、一方で、モテ度が低くなればなるほど「女児だけ」率もまた34%へと上昇し、もっとも「モテ度低」階級での女児率と変わらなくなります。いわば、Uの字曲線を描いています。
「女児率と離婚率」都道府県別で見るとどうか
要するに、モテた父親だから女児率が高まるということではなく、モテない父親でも女児だけしか産まれない場合もあるということです。もちろん、この結果は、あくまで子の主観によるものなので、これだけですべてを検証したというつもりもありませんが、結論としては、父親のモテ度と女児率とはあまり関係がないといっていいでしょう。
よくよく考えれば、産まれる子どもの性別は男児か女児かのふたつにひとつであり、それほど大きな差異が出るはずもありません。「女遊びが過ぎた男は女児率高め説」は、「言われてみればそうかも」と思いがちであり、加えて「そういえばあの人の家もそうだった」と酒の席での話として盛り上がるネタであるがゆえに、容易に信じられて、拡散されてしまうのでしょう。冒頭のカエサルの言葉通り、それこそが「人は見たいと欲する現実を見たい」というものです。
本稿を書くにあたり、他にも出生順位別や母親の年齢別の出生性比の違いについても検証しましたが、どれも変わりはありませんでした。が、思いつきで都道府県別の女児率と離婚率との関係を見ると、少しおもしろい結果となりました。