「レム睡眠」「ノンレム睡眠」のバランスを考える

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があると聞いたことがある方もいるかもしれませんね。

簡単に説明すると、記憶の整理や定着をおこなう役割をもつのがレム睡眠、脳や体を休める役割をもつのがノンレム睡眠です。

そして、眠りはじめの90分で成長ホルモンを活発に分泌させるのも、ノンレム睡眠の役割です。

レム睡眠は、ノンレム睡眠に比べて軽視されがちなのですが、実は、レム睡眠に入っている間は唯一ストレスホルモンが脳内に存在しない時間帯で、「メンタルヘルスの時間帯」と言われています。

【図表1】「眠り始め」のノンレム睡眠に注目しよう(出所=『人生を変える睡眠術』)
Sleep Disorders Center, Stanford University より著者加(出所=『人生を変える睡眠術』)

つまり、レム睡眠は、私たちの精神を健康に保つために重要な役割を果たしているのです。

このように、睡眠の段階にはそれぞれ大事な役割があり、私たちは、その両方を充実させることで最大のパフォーマンスを発揮できると考えられます。

睡眠はタワマンの土台部分

厚労省が言うように、食事、睡眠、運動は健康を守るうえでの3本柱です。

運動なら「ジムに行く」、食事なら「グルテンフリーにする」など、いろいろ気をつけている人も多いと思います。

でも、この3つの中で脳機能に直接かかわっているのは睡眠です。食事やトレーニングでは補えない、睡眠にしかない体への役割がたくさんあります。

忙しいとき、食事はパソコン作業をしながらでもできますが、睡眠は「ながら」ではできません。結局、睡眠を削ることを選んでしまう方が多いのですが、本当は一番削ってはいけない部分です。

健康というものをタワーマンションにたとえるなら、次のように「睡眠という土台の上に、食事や運動が積み重なっている」と考えてください。

【図表2】睡眠はタワーマンションの「土台」
(出所=『人生を変える睡眠術』)

土台がしっかりしていないマンションは欠陥住宅ですし、液状化してしまった土地の上に家は建ちません。