「眠りの時差ボケ」に注意する

「何時に寝て何時に起きるのがベストなのですか?」

よく、こんな質問を受けます。

結論から言うと、就寝時間と起床時間は、その人の仕事や生活パターンによって違うので、あまり厳密に「何時から何時」と考えなくてかまいません。

残業で遅くなったりして、就寝時間に多少ばらつきが出るのも許容範囲です。

ただ、起床時間を固定することは大切です。

これは守ってください。

というのも、起床時間がバラバラだと体内時計が狂い、体が時差ボケしてしまうからです。

やっかいなことに、一度時差ボケすると、元の体内時計に戻すのに数日かかってしまいます。

あなたのまわりにこんな人はいませんか?

体調不良で発熱するアジア人女性
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

「月曜日はエンジンがかからず、水曜日あたりからやっと調子が出る」
「午前中は使いものにならない」

そのような方は、日本にいながら時差ボケになっている傾向があります。

当然、仕事にも影響が出てくるでしょう。

パフォーマンスの低下を防ぐためにも、できるだけ起床時間は朝7時なら7時と決めて、動かさないようにしてください。

大事なのは、眠りはじめの90分

従来、睡眠のゴールデンタイムは午後10時から午前2時の間と言われてきました。

しかし、今の研究では、成長ホルモンが最も分泌されやすい時間帯は「眠りはじめて最初の90分」で、その時間に一晩に分泌される成長ホルモンの7~8割が分泌されると言われています。

もちろん、成長ホルモンの分泌は体内時計の影響も受けているので、昼間よりも夜にちゃんと眠るほうが望ましいのは確かです。

ですから、なるべく夜と言われる時間帯に眠っていただきたいのですが、「必ず夜10時に寝ないといけない」ということはありません。

現代人は忙しいし、帰宅時間が10時頃かそれ以降になる、という人もいますよね。

というわけで、何よりも重要なのは「眠りに入って最初の90分を充実させること」なので、それを念頭において対策を立てましょう。

入眠がスムーズだと、その後の睡眠もだいたいスムーズなのですが、寝つきが悪いと、起きるまでの睡眠も不安定になりやすいのです。