稲盛氏の魅力は“優しさ”にある

私は、その後30年弱、稲盛さんの近くで働くという幸運に恵まれたのですが、厳しいというより、思いやりにあふれる優しい上司だったという思い出のほうがはるかに多いように感じています。

本書でこれまで紹介した稲盛さんの多くの言葉も優しさにあふれています。稲盛さんに接したことのある社員の多くは、「稲盛さんに叱られたからではなく、稲盛さんの優しさに引かれて、稲盛さんの期待に応えようと頑張ってきた」と話していました。

レイモンド・チャンドラーが言うように、人間は「強くなければ生きていけない」のですが、それだけでは人がついてくるはずもなく、組織をまとめることができるはずもありません。なぜなら「優しくなければ生きていく資格がない」からです。