病気に強く、農薬を25%も減らすことができる「コシヒカリBL」

従来型のコシヒカリのいもち病対策には農薬が使われてきました。これに対しコシヒカリBLを用いれば、農薬の使用を少なくとも従来の約25%は減らすことができ、栽培にかかるコストも安く抑えることができます。また、DNA鑑定により新潟県産コシヒカリであることを証明できるというメリットもあります。

ここまでで、従来のコシヒカリとコシヒカリBLとの違いや、コシヒカリBLの概要をおわかりいただけたかと思います。ここからは、少し難しくなるかもしれませんが、コシヒカリBLというものをさらに細かく見ていきます。

実は、コシヒカリBLというのは品種の総称で、それらを構成する種苗法上の実際の品種は、コシヒカリ新潟BL1号〜BL4号などの複数種が品種登録されており、これは従来コシヒカリとは異なる品種なのです。

例えば、「コシヒカリ新潟BL1号」は、「(従来型の)コシヒカリ」と「ササニシキ」を交配させたものを、さらに従来のコシヒカリと連続して交配したものです。これは、遺伝子的に(従来の)コシヒカリと違うものであることは明らかです。

精米されたお米
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米の形状や品質に差がないので「コシヒカリ」と売り出せる

では、コシヒカリBLは、本当はコシヒカリではないのでしょうか。これには、さらなる事情があります。

コシヒカリBLは、種苗法に基づき農林水産省が厳正に審査をし、「いもち病抵抗性の性質があること以外は、従来型のコシヒカリと同等である」と認められたものなのです。さらに、JAS法(日本農林規格等に関する法律)では、種苗法上の品種名が別だとしても、「生産された米の形状や品質に差がないものは、検査により認定された産地品種銘柄を表示して販売できる」というルールがあります。

こうして、従来型のコシヒカリも、コシヒカリBLも、「新潟県産コシヒカリ」として販売できるとされているのです。

これには、「少し無理のある判断ではないか」と感じられる方もいるかもしれません。

収穫する稲を調べている農家の手元
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