ちなみに、年収1000万円超の企業は全業種を見渡して54社ある。そこから持ち株会社を除くと全28社。トップの三菱から6位の双日まですべて1000万円超の単体会社となると、総合商社をおいてほかにない。7位の豊田通商992万円も大台まであと一息に迫っている。三菱商事に至っては30代で年収1000万円は当たり前。日本一の高給企業は間違いなく総合商社だ。学生の志望業界調査で、最近は大手5社の上位進出が目立つのも当然である。
さらに、商社・卸売業界で特筆すべきことは、取り扱い品目により極端な年収格差が生じることだ。総合商社は高く、専門商社は低い構図は昔から変わらない。トップの三菱商事は下位の大木539万円の2.6倍で、両社の年収差は実に873万円に達する。商社・卸売業の扱い品目間格差が改めて浮き彫りになった。
品目別に見ると、化学、鉄鋼、機械・半導体はまずまずで、食品と医薬品にマイナスが目立つ。鉄鋼商社で突出しているJFE商事932万円は、商社・造船・電炉など再編を進めるJFEHDの商事部門。食品トップのOUGHD917万円は旧大阪魚市場で、ともに従業員数40人を切る持ち株会社だ。各ジャンルとも順位に目立った変動はなく、逆転があっても僅差に留まる。
※すべて雑誌掲載当時
(ライヴ・アート=図版作成)