テレビの未来
日の丸を背負って世界と戦う姿が注目を集めると長く言われてきた。
確かにプロ野球など国内スポーツは、たとえ日本シリーズなど重要な試合でも全国区では数字をとらなくなっている。また日の丸を背負っていても、オリンピックやサッカー日本代表戦も、じりじり数字が下がってきている。
どうやら視聴者のマスを動かすには、さらなるテコ入れが必要なようだ。
今回のMLB現象は、大谷の姿をはじめ日本人投手の投げ合いなど、これまでにない要素が加わった。つまり「4年に1度」とか「負けられない戦い」などとメディア側は視聴してもらえるよう必死だが、手垢のついた“紋切型”と捉えられマンネリ化してしまうこともある。
その点、今回のMLBは従来にはなかった新しい要素が満載で、人々は惹かれたのだろう。
考えてみれば、これこそがテレビの基本である。筆者がテレビの現場にいた頃、「something new」と口酸っぱく言う先輩がいた。これを追い求め何か新たな局面を切り拓けば、テレビ番組はまだまだ注目してもらえる。
今回のMLB中継は、改めてテレビの潜在能力と可能性を示しているような気がしてならない。