プロ野球の世界で結果を出すのは、どんな選手なのか。2012年に盗塁王になった元・東北楽天ゴールデンイーグルスの聖澤諒氏は「相手投手の映像を見て、牽制時の癖を研究し続けた。体が大きい投手は癖を盗みやすいが、例外だったのは大谷翔平選手。あの体のサイズで盗塁できなかった相手は彼だけだ」という――。

※本稿は、聖澤諒『弱小チーム出身の僕がプロ野球で活躍できた理由』(辰巳出版)の一部を再編集したものです。

聖澤氏の名前の入ったグラブ
撮影=黒澤 崇/提供=辰巳出版

足という武器を活かすために相手投手の癖を徹底研究

プロに入って2年目に、盗塁の数字を大きく伸ばせました。一年目の5から15に大きく伸ばし、失敗は二つだけ。自分の足という武器を生かすために相手ピッチャーの癖を徹底的に研究したことが結果につながりました。

全体ミーティングでは相手ピッチャーのクイックの秒数、盗塁をしやすいのかどうか、牽制が速いかどうかなど、盗塁に必要な基本情報がコーチから野手全員に共有されます。そういった情報ももちろん大事なのですが、ピッチャーの癖の情報まではコーチから与えてもらえません(球団によって違うかもしれませんが)。

ピッチャー一人ひとりの癖は何度もビデオを繰り返して見て、自分で見つけるしかないのです。

そのピッチャーの牽制集、それも一塁、二塁別であったり、一塁側から見た映像、三塁側から見た映像などいろんなバリエーションがあるのですが、それを何度も何度も見て研究するのです。