尊敬される人より、雑談で親しみが持てる人を目指す

あなたも、「くだらない」と言われることを名誉だと思えるくらいになれば、雑談の達人です。雑談で得られるメリットは次のようなことです。

①交渉を有利にできる

交渉などの営業の場で、顧客にスムーズに契約をしていただくには、雑談は不可欠です。マサチューセッツ工科大学の研究によると、雑談無しで商談に臨んだ場合の成約率は5.9%。雑談をしてからの商談の場合の成約率は、39.3%。なんと6.7倍以上もの差が開きました。

②アイデア出し

私の本の中でもっとも売れているのが雑談の本です。出版のきっかけは、まさに編集者との雑談でした。書店周りをし終えて、喫茶店で編集者とお茶をしながら、「今後、書いてみたいテーマはこんなのがありまして」と編集者に企画のアイデアを伝えていました。

そこで雑談の本がよさそうだとなり、今の私につながりました。アイデアは、雑談から生まれることがほとんどです。

松橋良紀『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)
松橋良紀『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)
③親密度アップ

親密度は雑談の量に比例します。公式なビジネスに関する会話をしているだけだと、人間関係が築けません。商談で雑談の効能は6.7倍違うとお伝えしましたが、社内の人間との付き合いでも同じです。上司と二人きりで車で移動することになったとき、気まずい時間を感じる人は多いでしょう。その時間に雑談をすれば、親しくなって相談がしやすくなるでしょう。

内容の濃い話をすることで、相手からの尊敬を得たいとか、一目置かれる存在になりたいという欲望が透けて見えると、親しい関係を築くどころか、人間関係の距離が開きます。

今の時代は、尊敬される人を目指すより、雑談を駆使して親しみが持てる人を目指す方が、はるかにメリットが大きいのです。

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