大事な場面で声のトーンを使い分ける

先ほど、営業の初期ステップにおいて女性が有利になることがあるという話をしましたが、一方で、女性特有の特徴が弱点となる場面も存在します。その代表的な場面が、クロージング(取引や契約の最終段階)です。

一般的に、女性は男性に比べて声のトーンが高めで、これが初対面の挨拶や電話応対においては明るさや親しみやすさを感じさせる効果があります。しかし、契約の詳細を詰める段階や、お金に関する重要な話になると、この高めの声が逆にデメリットとなることがあります。

特に、クロージングの瞬間やシリアスな話し合いの場では、声が高いと軽く見られたり、頼りなさを感じさせたりすることがあるのです。

では、どうすれば良いのでしょうか?

答えは、声のトーンを場面に応じて使い分けることです。たとえば、クロージングの場面では、低めで落ち着いたトーンを意識して話すことで、相手に「この人は信頼できる」と感じてもらうことができます。

また、トーンだけでなく、話すスピードや間の取り方も重要です。クロージングの場では、ゆっくりと落ち着いたペースで話し、要所要所で間を取ることで「重要な話をしている」ことを印象づけることも可能です。

声のトーンや間の取り方といった話し方の技術は、トレーニング次第で誰でも身に付けることができ、意識的に調整が可能な武器です。どの場面では、どの話し方が適切なのかを知れば、営業力が飛躍的に向上します。

顧客に説明している女性
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桁違いの結果を出せば、批判は賞賛に変わる

営業の世界では、何を言われたとしても、最終的にものを言うのは「結果」です。たとえ最初は「女を売っている」「かわいいから契約が取れている」と揶揄されても、桁違いの成果を出せば、その批判は徐々に消え、最後には賞賛に変わります。

「出る杭は打たれる」ということわざがありますが、出過ぎた杭は誰にも打てません。中途半端に目立つくらいなら、とことん成果を出し続けてください。月に何十件という契約を取り、他を圧倒するトップセールスになることで、周囲の目は間違いなく変わります。最終的には「実力を認めざるを得ない」のです。