12日の総裁選告示前には、石破氏とともに「2強」と目された小泉元環境相は、候補者同士の論戦が始まると、経験不足、政策への理解不足を露呈して失速し、党員・党友票が集まらずに第1回投票で3位に終わった。代わって台頭したのが保守右派の高市氏だ。自ら党員を獲得し、地方講演を重ねて党員票を積み上げ、安倍路線を継承するとして議員票も伸ばし、第1回投票では1位に躍り出た。

決選投票では、旧派閥の論理・行動も復活する。菅前首相が率いる無派閥・菅グループと、岸田首相ら旧岸田派がまとまって石破氏支持に回ったのに対し、麻生副総裁は高市氏支援に舵を切りながら、麻生派がそろってその指示に従ったわけではなかった。岸田氏にとって、菅氏は「岸田降ろし」の先頭に立ったことで遺恨の対象だったが、「高市首相」を阻止する点で手を握ったのである。