物件選びで失敗しない方法はあるのか。11回の引っ越しを経験し、現在は10部屋のマンションオーナーである医師のこうさんは「物件情報サイトで探すよりも、町の不動産屋さんに行ったほうが情報は得られやすい。その際、いい物件に出会える『神質問』がある」という――。

※本稿は、こう『ひとり暮らし大全』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

賃貸住宅のコンセプト
写真=iStock.com/ArLawKa AungTun
※写真はイメージです

違法な「おとり広告」に要注意

不動産業界についてあまり悪くは言いたくありませんが、業界のルールに精通していなければ、トラップではないかと感じるようなことが多々あるのが現実です。公益社団法人「首都圏不動産公正取引協議会」も公正な表示を求めて、違反例などを紹介しています。

たとえば次のような場合は「おとり広告」と考えられます。

① 契約済み、または入居済みで取り引きできなくなっているのに、新規に情報公開し、10カ月以上継続して広告
② 入居済みとなったあと、長いもので9カ月以上、短いもので1カ月以上継続して広告

おとり広告とは、販売・賃貸する意思がない物件や、販売・賃貸できない物件について広告を出すことです。

それを見て連絡や来店をしてくるお客さんに他の物件を紹介するための“客寄せ”です。

「駐輪場あり」なのに利用料の明記がない

「物件名が非表示になっている」、「一社のみの扱いになっている」場合などもおとり広告の可能性が高いといえます。一般の人がすぐに見抜くのは難しいかもしれません。客をだまそうとしていることなんてないだろうといった考え方……性善説は通用しない世界だというふうに考えておいたほうがいいでしょう。

首都圏不動産公正取引協議会は次のような広告も違反例として挙げています。

・保証会社の利用が必要である旨や保証料が不記載
・「敷金なし」「ペット可」と広告していながら、ペットを飼育する場合は敷金1カ月になる
・「駐輪場あり」としていながら、利用料が必要なことには触れていない
・「かぎ交換費用」、「24時間サポート費用」「ルームクリーニング費用」、「室内抗菌費用」、「エアコン清掃費用」などを求めるにもかかわらず、広告には不記載

部屋探しをしているなかで、こうしたケースのどれかに当てはまった場合には、良心的な不動産会社ではないと考えるようにするのがいいはずです。