不動産屋を調べるなら「免許の更新回数」を見るべし

信用できるかどうかの判断が難しいのは空中店です。

ビルの5階などに入っている店舗のことです。そのビルで営業を始めてまだ間もない場合もあるので、1年後、数年後にも営業を続けているとは限りません。一概にいえることではないので、決めつけるような書き方をすれば怒られることにもなるのでしょう。

しかし、一般論としてそういうイメージをもたれているのは確かです。

また、大手不動産会社の看板を掲げていても、フランチャイズ加盟しているだけで、組織としては完全に別会社だというパターンもよくあります。ネットワークなどでつながってはいても、看板はあくまで看板です。

その場合、請求書や領収書などは元の会社の名義で出されます。町の不動産屋でも大手不動産会社の店舗でも、店舗内には必ず、客の目につく場所に宅地建物取引業者票が掲示されています。

この上部には「―知事(○)第△△△号」もしくは「国土交通大臣(○)第△△△号」というように免許番号が書かれています。

事業所が一つの都道府県に収まっている場合は知事免許で、事業所が複数の都道府県にまたがっている場合は国土交通大臣名義の免許になります。

宅地建物取引業者票のなかでカッコ内にある○の部分に入るのが免許の更新回数です。1996年までは3年に一度の更新が義務付けられていましたが、それ以降は5年に一度の更新になりました。

“その町の事情通”でもある

(1)なら5年未満
(2)なら5年以上10年未満
(3)なら10年以上15年未満
(4)なら15年以上20年未満
(5)なら20年以上25年未満

とわかります。

ただし、最初は一つの都道府県内で営業していた不動産会社が他県での営業を始めたことにより知事免許から国土交通大臣免許に替わった場合はカッコ内に入る数字が1に戻ります。国土交通大臣免許(1)になっていたからといって営業年数が短いとは限らないわけです。

空中店は信頼できないということではまったくありませんが、更新回数が1回の空中店が1年後にはその場所からなくなっているケースはそれほど珍しくはありません。

多くのチェーン店をもつ大手不動産会社はそれだけ信頼できますが、個人的には、その土地で長く商売を続けている店舗をやはりおススメします。

ひとつの土地で長くやっていられるのはおかしな商売をしていないあかしといえます。

“その町の事情通”でもあるはずなので、「ここはいい町なんだけど、あの界隈かいわいは危険」というように、地元ならではの情報を教えてくれることもあります。

ひとり暮らしでは治安面も大切なポイントです。その点で慎重になりたいなら、こうした不動産屋で話をよく聞くか、近くの交番に行ってみて「この町に引っ越そうかと思ってるんですが、治安面はどうでしょうか?」と尋ねてみるのもいいのではないかと思います。

東京の風景
写真=iStock.com/kokoroyuki
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