日本は2023年、名目GDPでドイツに抜かれ、世界4位に転落した。ドイツ人と日本人の働き方はどこが違うのか。ドイツ在住歴17年の西村栄基さんの書籍『ドイツ人のすごい働き方 日本の3倍休んで成果は1.5倍の秘密』(すばる舎)より、「ドイツ人の職場環境へのこだわり」の解説をお届けする――。
感銘を受けたドイツ人の「職場環境へのこだわり」
ドイツに赴任して、最初にオフィスに入ったときに驚かされたのは、開放感あふれる広々とした自席スペースです。2つのデスクが組み合わさっており、大きな空間が確保されています。
そしてフロアは仕切りで区切らず、隣席との間隔を2メートル以上空けることでプライバシーを確保していました。
3メートル近い高さの天井と窓の外に見える美しい自然が相まって、最高の環境といえました。
また、オフィス内には観葉植物がふんだんに置かれ、ここにもドイツ人の職場の環境に対するこだわりが感じられました。
思考のスケールは作業スペースの広さに比例する
同僚のステファンは言っていました。
「この環境があるからこそ、良いパフォーマンスを発揮できるんだよね」
「こんな広いスペースで働くなんて、最初は戸惑ったよ」
と私が返すと、ステファンは笑いながら答えました。
「日本出張で見た狭いスペースは、衝撃的だったなあ! でも、ドイツではこれが標準だし、この空間があるからこそ集中できるし、効率が上がるんだよね。自分のスペースが広いと、考える余裕も生まれるからね」
「思考のスケールは作業スペースの広さに比例する」と多くのノート術の書籍が説いていますが、ドイツのオフィスほどそれを実感させられる場所はありませんでした。
創造性が刺激され、高い集中力が維持できるのが自分でもわかりました。