「進次郎構文」では誤解されても仕方ない

「雇用」「年金」「学歴」といった、極めてセンシティブなテーマについて次々と、しかも誤解を生みかねない、ことば足らずな言い回し(=「進次郎構文」)で発したために、幻滅が広がったのではないか。しかも、「弱者切り捨て」のイメージがつきまとう純一郎氏の「改革」をそのまま引き継ぐのではないか、との懸念が生まれた。

争点を絞りきれなかったばかりか、なまじ勉強をし(ようとし)ているばかりに、発言があいまいで二転三転したとのイメージを与えてしまい、党員からも愛想をつかされたのではないか。

先に挙げた「解雇規制の見直し」が象徴している。なんとも歯切れが悪い。現実的と言えば聞こえは良いものの、玉虫色というか、踏み込みが甘い。

記者会見でのやりとりも、当意即妙ではあるが、「やさしさ」が、進次郎氏の売りであり、優れたブレーンや、年長者からの支援を引き寄せたのだろう。

しかし、それゆえにこそ、自民党支持者たちは、進次郎氏には乗り切れなかったのではないか。

国会議事堂
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ことばに自信を持つ「決意」が求められる

もちろん、自民党員・党友が求めるものは、大きく変わりつつある。高市氏が多くの票を集めた背景には、保守層の台頭があるだろう。もともと、彼らは進次郎氏とは相容れない人たちなのかもしれない。

それでも、もし、進次郎氏が、自分のことばに、もっと自信を持てたのなら、旋風を巻き起こせていたのではないか。「小泉進次郎ファクト」などというサイトが生まれる必要もなかったのではないか。

敗戦の弁で「感謝の気持ちでいっぱい」と述べる姿より、「悔しい」とか「やられた」といった、生々しい、血の滲むようなことばを聞きたかった支持者は多いはずだ。

実績や経験不足は、場数を踏み、年を重ねれば解消されるだろう。それだけに、彼に求められるのは、「決着」とのキーワードそのままに、ことばに自信を持つ「決意」であり、「決断力」である。その迫力不足が、今回の結果を招いたのではないだろうか。

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