「年金の受給開始を80歳にする」発言は、本当なのか?
日本の人口に占める65歳以上の割合は29.1%、75歳以上は16.1%といずれも過去最高を更新している。彼らだけではなく、多くの人たちにとって年金をいつから受け取れるのかは死活問題である。
「小泉進次郎ファクト」には、次のように記されている。
年金の受給開始年齢を柔軟にすべきだと発言していますが、支給開始年齢を80歳にするとは言っていません。正しくは、「受給開始年齢は80歳でもいいのではないかと考えている。60歳~80歳までの間であれば、受給開始年齢は自分たちで決められるという考え方である」
進次郎氏の言う「60歳~80歳までの間であれば、受給開始年齢は自分たちで決められるという考え方」は、仕組みを理解している人たちには腑に落ちるが、報道の見出しだけを読んだ人からは「80歳まで年金をもらえない」ととられかねない。
「善か悪か」という構図を築いた父・純一郎氏
また、「解雇規制の緩和」はどうか。
「解雇規制の見直し」であって「緩和」ではありません。配置転換義務以外に、リスキリング(職業能力の再開発)や、再就職先の確保を行うことも、解雇回避努力とみなすと提言しています。
「『解雇規制の見直し』であって『緩和』ではありません」として、「出回っている風説」だと判定している。また、経営コンサルタントの冨山和彦氏や、経済学者の中室牧子氏のXへのポストを「関連情報」として掲載し、進次郎氏の議論を補強しようとしているように見える。
ほかにも、2024年9月16日の討論会での「大学に行くのがすべてじゃないです」という発言や、視察先の千葉県富津市で記者団から水政策への見解を問われ、「水がおいしい町なのにコンビニで外国のペットボトルの水を飲んでいる。こんなに理屈に合わない消費の仕方はない」といった発言が、ネットを中心に拡散された。
中には「小泉進次郎ファクト」が指摘するように悪質な「切り取り」も見られるが、前述の発言が「庶民」の気持ちを逆撫でしたという側面は否めないのではないだろうか。
父・純一郎氏は、「郵政民営化」を論点に掲げ、「賛成か反対か」=「改革派か守旧派か」=「善か悪か」という構図を築いた。「私の内閣の方針に反対する勢力、これは、すべて抵抗勢力」と国会答弁で言い放ち、国民が喝采を浴びせた。
ひるがえって進次郎氏の「争点設定」は、どうか。