女性の活躍を推進するうえで、企業側が考える10の問題点
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感情・感覚的な部分においても、男性と比較して女性に顕著に言えることはいくつかある。マネジメントする側としても、弱いところを指摘するより、強いところを伸ばしたほうが全体の能力は上がると感じる。また、叱るときは「現行犯」、すなわちその場で指摘すべきだろう。

これは、自分が女性上司の部下になった場合にも応用できる。意見が対立したりトラブルが起こったとき、「あのときもあなたはこうだった」といったような過去の傷を蒸し返すような言い方はすべきでない。女性にとって特にネガティブに取られやすいからだ。また、追い込みすぎるような言動も厳禁である。理詰めで言い負かそうとしてはいけない。まず「大変なのはわかりますが……」というふうに、どこかに逃げ道をつくっておかないと関係が長期にわたって壊れてしまったり、最悪の場合、管理職自身が潰れてしまう可能性もある。

こまめな声がけも大切である。小さなことでも適切なタイミングで褒めたりたてたりして、あなたの存在を常に認めているというプロセスが、強い信頼感につながる。こういった女性独自の特性は、上司であろうと部下であろうと男性側があらかじめ意識しておいたほうがうまくやれるだろう。むやみに飲みに誘ってコミュニケーションを取ろうとするより、仕事の中で真正面から向き合うことだ。

最後に、これまで日本の会社システムというものは、おおむね男性の思考特性に適した形に形成されてきたということも理解しておくべきだろう。

(近野ひろ美=構成 尾関裕士=撮影)