「聞き取り」をしても情報はほとんど得られない
国勢調査は1920年(大正9年)に始められ、ほぼ5年に1回実施されてきた。すでに100年の歴史を持つ。戸籍が作られたのは1871年(明治4年)だったが、最初の国勢調査で分かった日本の人口より、戸籍に記載されていた人口の方がはるかに多く、すでに死亡している人などが戸籍に残っていることが判明した。つまり、国勢調査は始まった段階から、戸籍など住民登録との数の違いに直面したわけだ。つまり、人口といった「国のかたち」を知る基本情報ですら、実は正確に把握するのは難しいのだ。
そこで取られてきたのが「聞き取り」だった。「町内会」などの顔役が調査員になれば、その地域の住民のことはだいたい分かる。「お隣さん」に聞けば、今失業中か働きに出ているかなども知っている。そんな地域のコミュニティが機能していた時代には、「聞き取り」という手法は有効だったに違いない。
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