「マイナー大学」から三菱商事、GSに続々内定のワケ
慶應文系がコスパ良いとは言ったものの、東京の私大は金銭的に厳しい……という声もあるだろう。そこで、三菱商事への入社も狙えるおすすめの地方大学を紹介する。
私が特に推したいのは、滋賀県に所在する滋賀大学だ。
「5S」というマイナーな大学群(※)の一角を占めているのだが、学歴界隈で話題に上ることは少ないのが実情だ。
※:埼玉大学・信州大学・新潟大学・静岡大学・滋賀大学
入学難易度は河合塾の偏差値で55と、一般的な地方大学のレベル感である。旧帝大からは1、2ランク下がり、埼玉大学や静岡大学と同レベル帯の難易度と言って良いだろう。
それにもかかわらず、就職実績を見てみるとやたら華やかなのだ。
総合商社や外資の超有名企業の採用大学一覧の中に、東大、京大、一橋、早慶といった名だたる大学と並んで、滋賀大学がぽつんと顔を出している。
経済学部の過去5年の就職実績を見ていくと、ゴールドマン・サックス、三菱商事、伊藤忠商事、住友商事など、「地方マイナー大」とは思えないとんでもない顔ぶれが並ぶ。
同大学には前身の彦根高等商業学校の時代から「近江商人」の学校というプライドがあるので、大学の就職課が民間就活に大変熱心なのだそうだ。戦前から続く経済学部の同窓会組織「陵水会」のOB・OGによる支援も手厚いという。
戦略的に努力を続ければ、「国内最強の民間企業」への道は開ける
また、同大学のゼミ活動も企業から高く評価されている。中でも経済学部の宮西賢次准教授のゼミは「名門」と言われており、三菱商事をはじめ有名企業に多くの学生を送り込んでいる。
ゼミでは財務諸表分析やファイナンスなどを学び、欧米ビジネス式の実践的なトレーニングが行われる。ゼミ生たちに求められる勉強量は膨大だ。夏休みには「8時間耐久ゼミ」が週に1回開かれ、企業財務に関する白熱した議論が交わされる。大学を休学して留学を経験するゼミ生も多い。これにより、学生たちは徹底的に鍛えられ、見違えるほど成長するとのこと。学部HPや大学広報誌を見ても、宮西ゼミ出身者たちが超大手企業への内定を続々と報告している。
さらに、あまり知られていないのだが、なんと滋賀大学は文系3科目の「私文」型入試で入学することができる。入学難易度は関関同立クラスだが、文系3科目で「国立大学」のブランドが手に入るのに加え、超大企業への道も開けるのだから、やはり相当コスパが高い。
他にも、神戸大学や小樽商科大学は「旧高商」と呼ばれる戦前の高等商業学校を母体とする大学であり、民間就職に強い傾向がある。首都圏の私大が経済的理由で難しい地方の学生は、ぜひ目を向けてみてほしい。
このように、一般的な高校生であっても戦略的に受験校を選んで学歴フィルターを突破し、大学入学後もゼミ、留学、体育会などを通じて不断の努力を積むことができれば、「国内最強の民間企業」である三菱商事への道が開けるだろう。