大企業に入社するための最低ラインは「MARCH」
まずは三菱商事の採用大学ランキング(「大学通信」調べ)を見ていきたい。
早慶が異様に多いのはさておき、きれいに学歴順に並んでいることがお分かりだろう。
最低クラスに地方旧帝大やMARCHが来るのだから驚きである。これには「学歴フィルター」の存在を感じずにはいられない。
学歴フィルターとは、採用活動において、企業側が採用のターゲットとする大学を絞り、応募学生をふるいにかけるための選考基準である。総合商社に限らず、多くの国内の大企業では、こちらの暗黙の足切り基準が設けられている。
「旧帝早慶以上」「MARCH以上」「日東駒専以上」など、会社によってその基準はまちまちだが、その暗黙の基準は確かに存在している。某日系大企業で人事部長をやっていた筆者の父親も、「学歴フィルターを設けないと効率的に採用活動ができない」と話していた。
三菱商事に限らず、誰もが知る大企業であれば「MARCH以上」の学生を採用するという暗黙のルールを設けていることが多い。たしかに、学生を個人単位で見れば、MARCH未満の大学であっても優秀な人はいるのだろうが、早慶MARCHの中から採用者を探すのと、無名大学の中から原石を見つけ出すのとでは、その割合がまったく違うことは自明だろう。
「民間就職の実績」では、東大と慶應はあまり変わらない
何万人もの応募者の中から内定者を発掘する人事部にとっては、こうしたフィルターを重宝するのは当たり前の話である。「学歴フィルターは廃止しろ」「学生個々人の資質を見るべき」などと声高に叫んでいる人には残念なお知らせだが、新卒一括大量採用の流れが変わらない限り、フィルターを完全に撤廃することは難しいだろう。
つまり、三菱商事のような一流の大企業への就職を見据えた場合、学歴フィルターを突破できるような大学に入っておく必要が最低限あるということだ。
前述の三菱商事の採用大学ランキングを見ると、早慶出身者の多さが目立つ。その背景には、就活に対する「意識の高さ」がある。中でも、国内で最も民間就活に熱心な大学はどこかと言われたら、私は慶應義塾大学と答える。それに次いで早稲田大学だろう。東大や京大は試験にはめっぽう強いが、学生の民間就活への意識はそこまで高くない(ただし、司法予備試験などへの合格率はやはり高い)。
そのため、民間就職の実績では東大と慶應はあまり変わらないという事態が生じている(入試難易度は雲泥の差なのに!)。
慶應文系は、国内最強の「就職予備校」だといっても過言ではない。最難関企業のひとつである三菱商事への入社を目指すなら、慶應は「王道」だと言えるだろう。
そんなコスパ最強の慶應文系に滑り込むための「最短ルート」をお伝えしていきたい。