安心できる老後には「すぐ頼れる人」が不可欠
この調査から、介護現場では身元保証人問題について援助者が苦慮していることが分かるだろう。
人は社会の中で生活しているため、どうしても社会秩序の範囲の中で対処していかなければならない。特に、日本社会では「身元保証人」という仕組みが社会に根付いている。学校入学、就職(バイトを含む)、賃貸物件の手続きなど、あらゆる場で身元保証人が求められる。
昨今、熟年離婚も増えており、子どもがいない高齢者夫婦も増加している。また、親族がいたとしても兄弟姉妹や従兄妹が80歳を超える同年代の場合は、身元保証人として認めてもらえない場合が多い。つまり、介護格差を考えるうえで、「身元保証人」もしくは「緊急連絡先」といった頼れる人がいるか否かで大いに違ってくるのである。