「暴落が近い」と見極められるタイミングは
とはいえ、そうとわかっていてもストンと株価が落ちれば、怖くなるのも無理はありません。
私自身も8月5日に株価が暴落したときは、「もしかしたら、まだ世に出ていない最悪のニュースがあるのでは……」と不安もよぎりましたが、冷静に対処することができました。
株式投資では、株式市場に参加する投資家たちの心理を冷静に受け止め、また自分の心のなかに生まれる欲望や不安を客観視することが求められます。
暴落の前には、株式市場の過熱が存在します。ミスターマーケットが過度に陽気に楽観的になって、株式市場が大いに盛り上がったあとに、株式市場は暴落しています。ですから、株式市場が楽観的で株価の推移が堅調であればあるほど、「暴落が近いかもしれない」と慎重に考えるべきです。
ウォーレン・バフェットが経営するバークシャー・ハサウェイは、株式市場が普通のときには普通のパフォーマンス、株式市場が好調のときには相対的に悪いパフォーマンス、株式市場が不調なときには相対的に良いパフォーマンス、であるといわれます。
つまり、市況が良いときは深追いせずに、そこそこのリターンで満足しておく。しかし、大きな暴落が来たときは、しっかりと優良企業に投資する。このようなスタイルが長期投資においては理想的です。