散歩は脚だけでなく、脳にも効く

年を重ねると、新鮮なできごとが少なくなりがちです。毎日がルーティンばかりで、顔を合わせる人も、話題もいつも同じ。思い当たることはありませんか。

川島隆太、大谷健太『とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば』(サンマーク出版)
川島隆太、大谷健太『とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば』(サンマーク出版)

この状態は、脳にとっては非常にマイナスです。脳を活性化させるには、脳を刺激することが必要だからです。実際、研究によると趣味が多い人、好奇心が強く、その対象が広い人ほど、脳の健康を維持しやすいということがわかってきています。もう年だから、面倒だから、などと言わず、意識して脳を刺激しましょう。

脳を刺激する行動は、身近にもいろいろありますが、人とコミュニケーションをとることは大切です。相手の話を聞き、その内容に合わせて返事をする会話のキャッチボールは、とてもいい脳の刺激になります。

ひとりですぐに始められることであれば、散歩がおすすめです。脳活の観点から言うと、目的地が同じでも、毎回ルートを変え、違う道を歩くのがおすすめです。視覚的なものだけでなく、季節の香りや肌に感じる温度など、いろいろな発見が脳を刺激してくれるはずです。

高齢者ほど料理はちゃんとしたほうがいい

ただし、暑さや寒さ、安全などには、くれぐれも注意しましょう。さらに、近所の図書館に足を運んでみるのもいいですね。どんな本が並んでいるか、見て回るだけでも刺激になります。

ところで、よく脳の活性化には指を動かすといいといわれますが、残念ながら効果は限定的。たとえば、編み物の場合、慣れたものをルーティンのように編むのでは、脳はあまり活性化されません。新しい編み図にチャレンジする、あるいは自分で製図してみるなど、脳を使う作業を組み合わせるようにしましょう。仲間と会話をしながら行うのも効果的です。

また、家事全般は脳活にぴったりです。特に料理は段取りが必要なため、高度に脳を働かせる作業となります。料理に慣れている人は、新しいレシピに挑戦することで、脳への刺激になります。ぜひ、積極的に取り組んでみましょう。

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