忙しいビジネスパーソンこそ山に行くべき
【春山】堀江さんにお聞きしたいことがあるんですが、沢登りや登山を始められた最初のきっかけってなんですか? 最初のきっかけがつらいものだった場合、その後なかなか続かないケースを見てきました。僕らYAMAPは最初の接点やきっかけをどう作っていけばいいのかという課題があるんです。
【堀江】僕はもともと田舎者なので、日本の里山の良さは小さい頃から知っていました。それで、沢登りを始めたきっかけは、サバイバルゲームを一緒にやっている友人が「沢登りは楽しいよ」みたいな話をして、僕が「面白そうだね」って言ったら「明日、行くんで一緒に行こう」と言われ、ノリで始めたんです。
その時に行ったのは神奈川県の丹沢でした。夏だったんですけど、沢登りは水場をバシャバシャ登るので気持ち良かった。それに2、3mの高さから川に飛び込めるポイントがあったり、天然のウォータースライダーみたいな場所もあったりした。とても綺麗な滝もあって楽しかったんです。
今はどんどんバージョンアップしていて、沢登りでキャンプしたり、ヤマメやイワナ釣りをしたりしています。シーズン中に多い時は7、8回行くんじゃないかな。
【春山】忙しいビジネスパーソンこそ、登山や沢登りなどの自然経験は重要です。ストレスも減るし、何より無心になれますから。
地方にいたほうが楽しい
【堀江】そうですね。僕はスマホで仕事ができるので、どこにいてもいいんです。どこにいてもいいなら、気持ちいい場所にいたほうがいいじゃないですか。人と会うには大都市が便利だけど、人と会う必要がない時は地方にいたほうが楽しいんですよ。だから、何時間か沢登りして、その後はホテルで仕事、みたいなことをやっています。
【春山】今は、そういうことができる環境になってきましたよね。やはり、堀江さんみたいに幼少期に自然経験のある人は「こういう自然の世界があったな」という感覚があるので始めやすいと思うんです。でも、幼少期に自然経験がなく、都会でばかり遊んでいた人たちにはその選択肢すらない。それはもったいないと思います。
僕は学校でスポーツを教えるだけではなく、山を歩いたり、キャンプに行ったりする時間をもっとたくさん作るべきだと思います。それも学校の先生と行くのではなく、山岳ガイドや山に慣れた人と少人数で行く。そうするとかなり充実した自然経験ができるはずです。