なぜ運動嫌いの子どもが生まれてしまうのか

【堀江】日本人って、学校に行っているあいだは体育の時間とかがあって、身体をよく動かしているけれど、社会人になると途端に動かさなくなるんです。僕は、それは運動を詰め込みすぎたせいだと思っているんです。

運動にもいろいろな競技があるじゃないですか。例えば球技。僕は、球技はめちゃくちゃ不得意なんですよ。動体視力があまりよくなくて、ボールが見えないんです。でも、ゴルフはボールが止まっているからできる。格闘技もまあまあできる。あと、持久力を使うアドベンチャーレース(※)なども好きです。だから、持久力系のスポーツだけやりたいと思うんだけど、学校だとやらせてくれない。不得意な球技とかもやらされる。そのせいで運動が嫌いになるんだと思います。

でも、登山だったら歩くだけです。だから、中高年でも趣味にしている人が多い。健康寿命を延ばすためにも、そのきっかけを与えることは重要だと思いますね。

※山、川、海などをトレッキング、マウンテンバイク、カヤックなどのアウトドア種目でゴールを目指す競技

YAMAPが愛されたふたつの理由

【春山】そうですね。実際、日本の登山人口は600~700万人と言われていて、50代以上が6割くらいを占めています。登山人口の約半数以上に相当する方々にYAMAPをダウンロードいただいています。

なぜ、これだけの登山者の方にYAMAPが受け入れられているのかは、携帯電話の電波が届かない山の中でも自分の位置がわかる、というツール的な利便性に加えて、コミュニティの機能を組み入れていることが大きな理由だと考えています。

例えば堀江さんが山に行った時に「こういう沢を登ってきました」「ここが危ないです」「ここが撮影ポイントです」といった、山を楽しんだ記録をYAMAP上で共有できる機能です。ウィキペディアのように、集合知で山の情報の精度が高まっていく。このコミュニティ機能が、多くの登山者がYAMAPを利用してくださっている大きな理由だと考えています。

【堀江】僕もコミュニティ機能を使って行く場所をよく探していますよ。この人たちが、このルートをこの時間で行けるなら、僕たちはこれくらいの時間がかかるかな、とか調べられるのが便利です。

森の中でスマートフォンを持つ男性
写真=iStock.com/Vladimir Agapov
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