「ごめんなさい」が言える子に育てるには

親が使うだけで、子どもの自己肯定感を上げる言葉があります。それは、たとえば次のような言葉です。

「ありがとう」
「嬉しい」
「楽しい」
「さすがだね」
「ごめんなさい」

親としては反対に、「こんな言葉を子どもが使ってくれたらな」と思うようなフレーズばかりかもしれませんね。

ここで発想の転換が必要になってきます。こんな言葉たちを、まずは親が使うことです。すると、子どもがそれを真似て使うようになり、自己肯定感も上がるというポジティブな循環が生まれます。

つまり、相手にしてほしいことがあれば、それを自分からやりましょう、という考え方ですね。

この中で、とくにハードルが高いフレーズを挙げるとしたら、それは「ごめんなさい」なのではないでしょうか? 子どもには、「悪いことをしたらちゃんと謝りなさい」と言っているのに、親が間違えたときには謝らない……。ありがちですよね。

「さっきは強く言いすぎたね。ごめんね」

親からこんな言葉をかけられた子どもは、自分から謝ることができる子に育ちます。お釈迦様は、対人の基本について、「相手が嫌がることはやらない」「与えれば与えられる」と説いています。

子どもは親の言葉づかいを真似る

例に挙げた5つのフレーズは、相手に感謝し相手を認める言葉ばかりですね。普段「謝ること」はハードルが高いかもしれません。それは自分のプライドの問題だったり、非を認めることへの抵抗感があったりするのでしょう。

林健太郎『子どもを否定しない習慣』(フォレスト出版)
林健太郎『子どもを否定しない習慣』(フォレスト出版)

でも家庭の中ぐらい、自分の可愛い子どもに対してくらい、そのハードルは下げてもいいのではないかと思います。

親が素直に謝れるなら、子どもも素直に学校や社会で謝れるようになるのだと思います。「ちゃんと謝れるようになってほしい」と親が願うのであれば、親自身も悪いところがあったら「ごめんね」と言えるようにしておきましょう。

自分で自分の機嫌を取って、言葉を口にできる親の姿を見た子どもは、それを真似て、自分の機嫌を自分で取り、肯定的な言葉を使うようになっていきます。

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