ふるさと納税・iDeCo・住宅ローン控除は影響なし

定額減税についてよく寄せられる質問について回答します。

「ふるさと納税をすると住民税が減るが、定額減税される額にも影響するのか」という質問をいただくことがあります。

結論から言うと、ふるさと納税は定額減税に影響しません。

定額減税は「令和6年分の住民税」、今年のふるさと納税に影響があるのは「令和7年分の住民税」だからです。

医療費控除や寄付金、iDeCo、住宅ローン控除といった、よく使われる節税対策も同様に定額減税には影響しません。

ただ、控除が多い方の場合、定額減税が引ききれず、調整給付金をもらう場合があるため、注意が必要です。

「給付金と2重取り」が可能

「物価高騰対策の支援給付金(7万円・10万円)をもらっていますが、定額減税の対象になるでしょうか」という質問もよくあります。

住民税非課税世帯を対象とした支援給付金は、今回の定額減税とは別の制度ですので、今年から収入が増えた場合などは重複して受け取ることが可能です。

「夫婦で、令和5年中は共稼ぎ、令和6年から妻が産休、夫の扶養に入った」という場合はどうなるでしょうか。

所得税減税については、令和6年末の時点で判断されます。令和6年から産休に入り、夫の扶養に入ったわけですから、そのことを会社に伝えれば、「妻は夫の扶養」と判定されます。したがって、「今年6月の時点で、夫の給与で2人分の所得税減税が受けられます。

しかし住民税については「扶養かどうかは令和5年末の時点で判定」されます。

そのため、上記のケースだと、妻は扶養家族とみなされません。夫、妻それぞれの住民税において「1万円の住民税減税」を受けることになります。

【図表】今年、産休・退職・無職
筆者作成