「砂糖の入った飲み物」は血糖値が上がりやすい

また、日本では間食として飲まれることが多い加糖飲料についても注意が必要です。加糖飲料は液体であるがゆえに胃から腸への移行が早く、咀嚼による満腹感を得られることもありません。にもかかわらず、糖質によるエネルギーがあり、血糖値を上げやすく、手軽に飲むことができます。

クリームソーダとコーヒーフロート
写真=iStock.com/ahirao_photo
※写真はイメージです

先進国におけるBMI≧25の割合と個別の食品や飲料の消費量の相関解析を行った結果では、食材総重量0.244、肉類0.461、野菜類0.021、果実類0.345のところ、ソフトドリンク0.274、炭酸飲料0.625(g/人/日)と炭酸飲料の消費量は肥満者の割合と正の相関にあることが示されていました。さらに、そのほかの研究結果と合わせると、炭酸飲料のうち加糖飲料の寄与度が高いことが分かっています。(御堂直樹「日本に肥満者が少ないのは加糖飲料の摂取量が少ないためか?」日本調理科学会誌 Vol.44, No.1, 79〜84, 2011)

心血管疾患のリスクが上昇する調査結果もある

糖類が多く含まれるジュースやコーラなどの加糖飲料を飲む習慣のある人は、全く飲まない人に比べて心筋梗塞などの心血管疾患のリスクが20%上昇するという調査結果や、果糖などが加えられた果汁飲料を毎日1杯以上飲んでいる人は心血管疾患リスクが42%高いといった報告もあります。(American Heart Association “California study finds drinking sugary drinks daily may be linked to higher risk of CVD in women” 2020年5月13日)食文化が欧米化されつつある今、甘味のあるコーヒーや紅茶、ジュースの飲みすぎには、ぜひ見直しが必要です。

糖質は美味しさや栄養、リラックス効果のあるものとして私たちの食生活には欠かせないエネルギー源ですが、糖質依存や摂りすぎは健康に悪影響を及ぼす可能性があります。糖質との上手な付き合い方を見つけ、より健やかな毎日をお過ごしください。

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