「紫式部日記」に書かれた出仕初日の様子

それを受け、道長はまひろに、自身の娘である中宮彰子の女房になるように打診した。女房として彰子の後宮に囲って『源氏物語』の続きを書かせ、同時に、まひろと彼女が書く物語に関心をいだいた一条天皇が、彰子のもとに渡ってくる動機になることを期待しようというのである。

一人娘の賢子(福元愛悠)を家に置いて出仕することに、まひろは最初、乗り気ではなかった。だが、自分が出仕して物語の続きを書くしかないと判断し、父の藤原為時(岸谷五朗)も、「悪いことではない」とし、賢子は自分に任せるようにいってまひろを促した。こうして、まひろは雪の降る日、彰子の後宮に出仕した。

一条は書き手の紫式部にまで興味をいだいたのかどうか。それは史料からうかがい知ることはできない。だが、道長が『源氏物語』を書かせるために紫式部を出仕させたであろうことは、研究者の多くが推測している。