苦手な人にこそ“ホウレンソウ”を欠かさない
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「まだ半分ですが、こんな感じで進めてもいいですか?」
だれだって苦手な人とは話したくない、心地いい人と話したいと思うものです。
しかし、それがあからさまに出て「好きな人にだけいい顔をする」「人によって態度が違う」などと思われたら損。苦手な人とコミュニケーションがうまくとれないことで、誤解されたり、トラブルになったりすることもあるでしょう。
絶対にやっていけないのは、避けたいばかりに、あいさつもしない、業務連絡もしないこと。相手も無視されたようで嫌な気持ちになり、「頼んだ仕事、どうなっているんだ」とイライラすることも増えるはずです。
人によって話し方が違うことはあっても、大切なのは、だれにでも“丁寧”に接することです。
とくに苦手な人にこそ、“ホウレンソウ(報告・連絡・相談)”は欠かさないこと。それだけでマメに会話ができて、トラブルは防げます。
相手の気持ちを察して「いまのところ順調です」「これで大丈夫ですか」「結果をご報告します」などと話していれば、安心感のある人として見られ、仕事がやりやすくなります。やりたい仕事を任されたり、会議で味方になってもらえるかもしれません。
苦手な人とは仲良くしなくても、嫌われないことが大事。
話すうちに苦手意識がなくなったり、理解できたりすることもあるので、ぜひ会話を避けないでください。
相手の表情の変化をキャッチして、話し方を変えていく
「話についてきてます?」
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「いまの、わかりにくかったですね。たとえば(具体的に言うと)……」
優れた講演者は、参加者の表情を見ながら話し方を変えています。
聞き手のなかに目があちこちを泳いでいたり、体が揺れたり、あくびをしたりと退屈そうな人が出てくると、内容を変えたり、雑談や冗談を交えたり、だれかに質問したりします。
1対1の会話も同じ。「相手は関心がある?」「理解している?」と相手の表情を確認しながら、話し方を柔軟に変える必要があるのです。
「相手の表情」というのは、顔の表情やうなずき、姿勢などで感じることができますが、いちばんわかりやすいのは「目」。
「目は口ほどにものを言う」というように「輝いた目→好き・興味がある」「力のない目→つまらない」「おどおどした目→緊張している」「にらんだ目→嫌い・怒っている」など気持ちを代弁しています。
きょとんとした目をしているときは、「理解不能」というメッセージ。相手の表情を無視してだらだら話し続けていたり、「ちゃんと聞いてよ」と相手を自分に合わせようとしたりしては、会話の溝はさらに深まっていくでしょう。
相手の表情を読みとって「わかりにくかった?」と表現を換えたり、たとえ話や具体的な例をあげたりして“伝わる”話し方をしてくれる人は、話していて心地いいもの。それは、相手に寄り添おうとする思いやりがあるからです。