高齢者に次いで「働きざかりの男性」が死んでいる

――沖縄県のグラフを見ると男性が多いですね。これはどうしてなのでしょうか?

屋外での肉体労働に従事するのは男性が多いからです。全国的に見ると、すべての年代で男性のほうが多く救急搬送されています。高齢者になり、定年退職したあとも男性が多い理由はわかりません。女性より弱いということかもしれません。

【図表】性別・年齢階級別 熱中症患者発生率
グラフ=小野雅司氏提供

熱中症になって死亡するのは圧倒的に高齢者が多く、次いで働き盛りの青壮期(19~64歳)の男性が多く死亡しています。

【図表】男女別の死亡者数の推移
グラフ=小野雅司氏提供

高齢者は体力がないことに加えて、暑さに気づきにくく、エアコンを使わないことで死に至っています。夏場は屋内にいて「暑い」と感じなくてもエアコンを使うということを心がけることが大切です。

働き盛りの男性の死亡を防ぐためには、企業の現場管理者がこまめに休憩をとらせるなど、熱中症対策をしっかり行うことが大切です。大手企業ではできているところが多いですが、中小零細企業や個人事業主まで徹底できているかは把握できていません。一人ひとりが夏場は死の危険と隣り合わせなのだと認識して、自己防衛していかないと命が守れないのが現状です。

(構成=プレジデントオンライン編集部)
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