岸壁や防波堤での釣りにもライフジャケットを
ライフジャケット着用のメリットは、体が沈まないというだけではない。海に放り出されれば体温と水温の差で確実に冷えてきて体が震え、意識が遠のくまで長い時間はもたない。ライフジャケットには一定の保温性があることに加え、浮力の維持で体力の消耗を減らすことにもつながり、長く浮いていられれば救助される可能性は高まる。
車のシートベルト着用と同様に、海に投げ出されたときにライフジャケットが命を守る効果は明らかだ。海水浴での着用を強制するのは難しいだろうが、少なくとも船に乗るならルールに従って、かさばろうがどうであろうが着ることが賢明であろう。
海保では不測の事態に備え、そのほかにスマホをストラップ付き防水パックに入れ、全地球測位システム(GPS)機能をONにして乗船することも重要とPRしている。
また、船と違って着用義務化はされていないが、磯場や岸壁、防波堤で釣りなどを楽しんでいる際に海へ投げ出される例も多く、ここでもライフジャケットの着用の有無が生死を分けたとみられるケースが多数報告されている。
この夏も各地で発生した水難事故のニュースが報じられている。楽しい海遊びが悲しい顛末を迎えないよう、ライフジャケットをはじめできるだけの装備をして出かけることを勧めたい。