丸2年、左手でお箸を持ってごはんを食べた

あらゆる技術にはコツがあり、上に引っ張るより手前に引っ張ったほうが速く進む、なんて知識も覚える必要があった。僕は手術の教科書を繰り返し読み、手術中に外科医に質問をし、手術が終わったらまた質問をしてノートにまとめた。タカハシ先生の縫い方はこう、オオハシ先生はこう、と外科医によってやり方が違うのだ。まるで受験勉強のようだ、と思った。

さらに、手先が器用になること。手先の器用さは、人によって違う。小さい頃からとても器用な人がいる一方で、どう考えても外科医をやらないほうがいい著しく不器用な人がいる。最初に言ったように僕は中の上くらいだったから、とにかく練習をした。

でも、学生と違って仕事をしているから、時間は限られている。