日焼け止めを塗るだけではダメ

また、「光老化」という言葉があるように、皮膚の老化の8割は加齢による自然老化ではなく紫外線によるものです。最近では、目から入る紫外線も皮膚の老化につながることがわかってきました。目から入った紫外線が脳に伝わることによって、体内でメラニン色素を増やしてしまうことが動物実験で証明されています。肌のケアだけでなく目のケアも同時に行う必要があります。

日焼け止めを塗るだけでは、日焼けやシミを完全には予防できない。あとは、紫外線の反射(照り返し)にも注意する必要があります。スキー場などでの、いわゆる「雪目」が有名ですが、反射によって急激に紫外線を浴びることで角膜炎を起こすこともあります。

例えば「くもりだから大丈夫」と紫外線対策をしない人もいますが、雲の隙間から晴れ間がのぞくと、紫外線が雲に反射して紫外線量がかえって増えることもあります。また、新雪なら80%、コンクリートやアスファルトは10%、水面では10~20%程度、紫外線が反射します。反射が強い場所では特に対策が必要ですね。

幼少期からサングラスは使ったほうがいい

――部活動など野外で活動する子どもも注意が必要かと思いますが、学校側がサングラスを許可しない例もあると聞きます。

本来は保護すべきかと考えます。最近は目から入った紫外線が脳を疲れさせることもわかってきています。

紫外線が目から入ると、脳内で疲労物質である活性酸素が大量に分泌される。その活性酸素によって脳の神経細胞が酸化ストレスを受けることによって自律神経が乱れ、身体全身が疲労を感じるようになります。

また、子どものころから紫外線を浴び続けてきた人は、白内障の発症が早くなるともいわれています。白内障は進行すると失明にもつながる怖い病気ですので、子どもだからといって甘く見ず対策することが大切だと思います。

少年のサングラス
写真=iStock.com/wundervisuals
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