会議の生産性を上げるには、どうすればいいのか。販売コンサルタントの平山枝美さんは「なかば強制的であっても、参加者に会議で発言させる仕組み作りが必要だ」という――。

※本稿は、平山枝美『「若手と一緒に成果を出したい!」と思ったら。』(大和書房)の一部を再編集したものです。

プレゼンテーション中、質問のために手を挙げるビジネスマン
写真=iStock.com/Drazen Zigic
※写真はイメージです

どうすれば若手が自ら発言するようになるのか

会議やミーティングで、自分から発言をなかなかしないスタッフはいませんか? そのようなスタッフを前にすると、普段から発言が多い人は不思議に思うものです。

様々に相手の心情を想像して、「(発言に対する)失敗を恐れてはいけないよ」「失敗をすると、こんなに良いことがある」など、熱弁を振るってアドバイスする人もいるでしょう。でも残念ながら、これで心を動かされる人はあまりいないのです。

ではこのようなとき、どうすれば自分から話そうという気持ちになってもらえるのか考えてみましょう。

専門学校で講師をしていたときのことです。発表に向けて、準備をしていたグループから進捗を聞いていました。いくつかあるグループを順番に回っている間、どこも自分たちがやってきたことを饒舌に話してくれました。

しかし、1グループだけ「全然出来ていないんで」の一言だけで押し黙ってしまいました。場が静まり、焦った私は、何とか彼らから発言を引き出そうとしました。

「失敗しても良いから、まずはやってみたらどうだろう」
「失敗が経験になるから、まずは途中までの過程で良いから、話してみよう」

こう言って、さらに自分が失敗した経験も熱く語ったのですが、ますますその場の空気は冷え込むばかりでした。

発言するに足りる内容かどうか迷っている

しかし、話をしながら、ふと「彼らはなぜ全然出来ていないのだろう」と気がつきました。そこで初めて、事情を聞いてみました。

すると、「色々案が出たけど、グループ内で揉めてしまった」「どれが良いのか、自分たちでは判断出来なくなってしまった」と、正直に答えてくれました。

つまり、彼らは失敗を怖く感じているというよりも、それが発言するに足りる内容かどうかを判断出来ず悩んでいただけだった、とわかったのです。

そこで私は、彼らがボツにした案を聞きながら、そのアイデアを聞きました。こうして次第に、グループ内では、普段発言をしない生徒も話すようになり、状況をしっかり聞くことが出来るようになりました。